時間の感覚

 付き添いで病院に行きました。診察の順番を待ていたら隣の診察室から女の子が暗い顔ででてきて、ソファーに座りました。遅れてお父さんがでてきて「手術をしよう」と言いました。主治医から再発した可能性があるから精密検査をして、必要があれば手術をした方が良いと言われたようでした。その子は受験生らしく、検査をしている時間に周りの友だちは単語や公式を2つも3つも覚えてる。私には時間がない、間に合わない、落ちたらどうすると!?とお父さんにあたっていました。お父さんは「今(検査して必要があれば手術して病気を治す事)を大事にしろ」と言うけど、娘は「今を大事にしろって言うなら勉強させて!」とお父さんに・・・。聞くつもりはなかったのだけど、誰もいない静かになった待合廊下に2人のやり取りが響いていました。お父さんの気持ちも、女の子の気持ちも分かる気がしてなんかとても切なくなりました。
 きっと1回目の手術の時いろんなことを考えて、感じて、大きな壁を乗り越えて今まで来たんだと思います。その時に感じた事きっと活かしたくて勉強してきたところもあるのだと思います。しっかり生きているんだけど、でもどこかでいつも「死」に対する恐怖を抱えつつ、診察に来て「大丈夫だよ」と先生に言われる度に胸を撫で下ろしつつ。そして・・・今日の「再発」「手術」と言う先生の言葉はとっても重く、彼女の心に突き刺さったのだと思います。

 
 人はいつか死にます。若くして、幼くして死んでしまうこともあれば、100歳越えても元気に生きている方も沢山います。私自身今は元気だけど、いつ死ぬか分かりません。出来れば長生きしたいなと思います。でも、もしかしたら明日死んでしまうかもしれません。こればかリは分かりません。
「1週間後に死ぬと言われたら、あなたは残りの時間をどう使いますか?」と書かれた本を読んだことがあります。そう考える事で無駄を省いて本当にやりたい事の取捨選択をしながら人生過ごしましょうという解釈をしました。


 近くにいる大切な人が亡くなったり、「死」へのカウントダウン宣告されたら、とっても悲しいし辛いです。勿論周りよりも本人が一番辛いはずだけど。一方で新しく産まれてくる命もあります。みんなに祝福されて喜ばれて。上手くかけないけど、「死」があるから生きる意味についても考えるし、一生懸命生きようと思うのだと思います。