象の背中

 日曜日に放送された「象の背中」を見ました。今井美樹が出る!本当は映画館に見に行きたいと思っていたのだけど、いろいろあっていけず・・・。
 役所広司演じる主人公が肺ガンで余命半年を宣告され、その残りの人生、今まで関わった人に逢いにいくという話しでした。でも、その関わった人に逢いにいくシーンはほんの少ししかなくて、心配かけるのはほんの少しにしたいからと妻(今井美樹)には肺ガンであることを隠し、でも、いきなり井川遥演じる愛人が出てきてその愛人にはずっと本音を言い続ける。ホスピスに入ってからは家族のあるべき姿(理想の姿)で過ごしている感じが伝わってきていたのに、また愛人が現れ、微妙な空気になる。空気を察した妻が席を外し、玄関で逢った時に「夫がいろいろとお世話になりました」という姿はとっても痛々しかった・・・。で、個人的にはこの後愛人にも家族にも捨てられ、一人寂しく死んでいく(象のように)のならよかったと思うのだけど、お見舞いにきた兄に「愛人に分骨して欲しい」と言ってみたり、浜辺で家族4人楽しそうに過ごす。波打ち際で楽しそうに過ごすその他3人、今井美樹が着ている真っ白なワンピースがかわいそうに思えた。そして、下りでは「僕は象のように一人では死ねない。家族に見守られて最期をむかえたい」なんて言っていた。エンドロールが始まった途端、「この男、最低!」と言ってしまった。もう二度と見ることはないと思う。
 途中何度も「自分がこの妻だったら・・・」と思いつつ見たけど、やっぱりあり得ない。

 ただ、さんざん避難したけど、原作は読んでみてもう一度判断する必要はあるかなぁ〜って思う。



追伸
 昔、「ナビィの恋」を見る前にあらずじだけ先に聞かされた時のこと。おばあが昔の恋人に逢いに(実際には逢わないのだけど)嬉しそうに出て行く後ろ姿を見ながら、おじいが三線を弾いて送り出す。「そんなあなたも含めて僕は愛してる」っていう雰囲気が伝わってきてとても良い!と言われた。私はそこだけ聞いて自分がその立場だったら笑って相手を送り出すことはできないし、そんな人とは一つ屋根の下暮らせない!と言うと、「まだ君は若すぎる」と言われた・・・。でも、実際に映画を見てみたらおじいの気持ちもおばあの気持ちも分かるような気がした。「アイシテルランドに行くさぁ〜」と船の上から言うおばあはとっても無邪気でかわいかった。でも、象の背中はもう一度見ても原作読んでも好きにはならないだろうなぁ〜。