これが今の私

先日、次女が幼稚園を卒園した。娘のおかげで本当に素敵な先生や幼稚園に出会う事ができ、素敵なお母さん達に出会う事ができた事、感謝している。ありがとう。
卒園に向け謝恩会の企画係となり、楽しく忙しく動きつつ、いろんな事を考えていた。


高校時代演劇部に属し、とにかく楽しく夢中で過ごした事。
ボトムレスな成績をとって「部活辞めさせる!」と親が学校に乗り込んできた時、顧問の先生が「もう一度だけ彼女にチャンスをください。勉強頑張ると思います。(もし留年とかになった時は)私が責任を取ります」と説得してくれた事。その後のテストだけは順位が跳ね上がった事(笑)
本当は日大の芸術学部に行って舞台照明を学びたかった事。自分が勉強しない事を棚に上げて、家から出そうとしない親に対してふてくされていた事。
勉強もせず、アルバムを見返していた時に、保育園の時にもらった誕生日ブックに「大きくなったら保母さんになりたいです!」と書いてあったのを見つけた事。そして、保母さんなら年に一度の発表会の時に子ども達と一緒に演劇やれると思った事。
短大の入試問題が...だった事
講義の中で「どの動物が一番多く絵本の主人公になっているか調べると面白そうだね」と話した先生の一言に食いつき、そのまま図書館に行って、「あ」から順番にひたすらページをめくり、ルーズリーフに殴り書きした汚いレポートを提出した事。それがきっかけで先生と絵本研究のゼミを始めた事。
母園(卒園した園)に実習に行き、当時担任してくれていた先生が主任に。「あなたらしく成長してくれていた事が嬉しかった」と書いていただき、喜んだ事。
ありギリスに出会い、卒業旅行を兼ねてネパールの山をトレッキング。現在旦那を含む変な人しかいない男ばかりの中に紅一点で旅をした事。
採用試験を受けた幼稚園、「現在の保育士の問題点をあげよ」というテーマの小論文。「結婚前の腰掛的な感じでしか仕事してないところが問題だと思います」とか偉そうな事を書いて、その後の面接で「結婚したらやめてもらう事が条件で採用します」と言われた事。落とす以外の選択肢はないと思ったけど採用されたものの、いろいろあって1年しか続かなかった事。
その後、保育園で仕事をしてとっても楽しかった事。周りからも「保育士、天職だね」と言われるものの、やっぱりうまく人間関係を作れなかったこと。
自分の居心地のいい場所は自分で作るしかないと安部さんにさらりと言われ涙が止まらなくなった事。
結婚し、ありギリスの事務局長となり、全速力で走り続けた事。ありえない失敗も沢山して、身をもって学ぶ。多くの方々に叱咤激励されつつ、温かく見守っていただいた事。全てが新鮮で楽しかった事。
子どもを出産し、とても嬉しかった気持ちと同じくらい生きにくさ、働きにくさを感じた事。
糸井重里さんの本に出会い、貪るように本を読むようになった事。
「はたらきたい」を読んで、はたらくとはなんぞや?金か、生きがいか、社会と繋がる事か..と延々考え続けた事。
2人目が生まれ、どう頑張っても仕事をこなせなくなる。保育園に預けたいと窓口に行くも無償ボランティアNPO事務局長と聞くなり、「入れるだけの資料(給料明細、雇用証明書)を揃えて持って来てください」と言ったきり、冷たく突き放された事。
近所に認可外の保育園ができ、そこに預けるようになった事。しっかり子ども達を受け止めてくれた事。でも、「野外活動を通じた健全育成を謳った団体の事務局長」をしているのに、子どもは終日室内で過ごしている事実が受け入れられず、意地になって毎日外で遊ばせていた事。
毎日やってくる不登校男子とうまく関わってあげられず、泣きながら過ごした事。
ひょうたん村という家族参加のデイキャンプを立ち上げ、思いが同じ子育て世代の家族と知り合い、楽しく活動した事。
ありギリスから給与をもらい、胸を張って認可保育園に通わせたい!自分の労働環境の整備を誓った事。
3人目出産。マドレボーニータが福岡でも受講できるようになるも、3人が代わる代わる病気をして7週続けて行けず...。諦めかけた時「意地でも参加してもらう。いつまでも待ってる!」と、ふじみんさんに声をかけていただいた事。
資金調達も兼ね、プレゼン企画を実施した事。1位になった行ってみたい・やってみたい企画に賞金を渡し、新規活動開拓にワクワクした事。
ホップ・ステップ、(十分に膝を曲げて、ためてためて〜)ジャンプ!できそうだったところで団体を解散する事になった事。
「私の今までの人生は一体な何だったの?」とぽっかり穴が開いた気持ちから抜け出せず、残務処理にも手がつけられなかった事。
気分転換に見に行ったはずの映画「かぐやひめ」 ♪今の全ては過去の全て という歌詞で全否定された気がしてさらに凹んだ事。
同世代SE女子に会って「今、全てを評価するからきつい。例えばゴールを60歳に設定して思い描く場所にたどり着けるようにすればいいんじゃない」と言われ、少しだけ楽になれた事。
チビを通わせていた認可外の保育園の先生から、ありギリスの活動や母としての姿を評価していただき、後任の園長になってもらえないかと打診された事。
全て終わり、雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ終日子どもの遊びに付き合う。ゆとりがありすぎて驚いた事。
幼稚園ママ達の輪の中にうまく入っていけず、悩んだ事。
「サラバ(西加奈子著)」の主人公垰歩の姿と自分の姿が重なって苦笑いした事。
桐子ちゃん@ママ友と出会う。彼女と話すようになり、母として、私個人としての繋がりができていった事。
息子の入園説明会で主任が「保育に終わりはない」と話され、本当にいい幼稚園に出会えてよかったと心から思えた事。その席で「桜井家のような子育てを幼稚園でもできればいいなと思ってます」と園長から言われ素直に嬉しかった事。
子育てがすこし落ち着いたら、チビ達が通っている幼稚園で働きたいなぁと思った事。


そして謝恩会の企画係。ムービー作りにピアノの練習に、「余暇ゼロ」で必死で楽しんだ事。
卒園式で娘から「毎日美味しいご飯を作ってくれてありがとう」と言われ、私が大切にしてきたことをちゃんと受け止めてくれて嬉しかった事。


この幼稚園に通ったのは1年半だったけれど。特に桐子ちゃんと出会ってからの1年は、母として、桜井翠個人として、今まで受け入れられなかった事も、蓋をして絶対見ないようにしてきた事に対しても随分と素直に向き合えるようになった気がする。そして、壁を作らずに、少しだけ飾らない自分を出せるようになった気がする。娘のクラスのママの中には、キラキラ輝いている、本当に素敵な女性がたくさんいた。それに気づく事ができた。

これからも色々とあると思う。ブレるし思い悩むし、憂うし...。でも、これが私。
桐子ちゃん、あの日私に声かけてくれてありがとう。いつか、ちゃんと本人に伝えられますように(笑)

かぐやひめ」 ♪今の全ては 未来の希望
できる事から、一つずつ、コツコツと。焦らず、のんびり、楽しみながらやっていこうと思う。